【12/27-12/31週の世界のリスクと経済指標】〜2021年の振り返り〜
先週の評点:
リスク 0点(36点): 中立 (基準点36点)
経済指標 +6点(24点):良化 (基準点18点)
【リスク】
先週のリスクはゼロの中立となりました。
新型コロナはオミクロン株の拡大が続き、米国では一日当たりの新規感染者数が50万人を超え、過去最多となりました。重症者数や死者数は2021年頭の過去の波ほどは増加していませんが、急速な感染拡大により公共交通機関などにも影響が出ています。
また、1300万人が住む中国西安でも感染者増加によりロックダウンが行われており、経済活動が制限されていることから今後再び供給制約につながる可能性があります。
【経済指標】
先週の経済指標はプラス6ポイントの良化となりました。
年末ということもあり、重要指標はありませんでした。
【2021年の振り返り】
新年明けましておめでとうございます。
新年が始まりましたので、改めて2021年の振り返りをしてみたいと思います。
まず株価指数です。
今年最も上昇が目立ったのは米株3指数で、S&P500が26.8%、ナスダックが21.39%、ダウ平均が18.73%と上昇し、米株の強さを印象付けました。
次いで欧州株価指数の独DAX、英FTSE100、露RTSが15%前後の上昇で続きました。
アジア株は日経が4.91%、上海総合が4.8%、香港ハンセンが-14%と振るいませんでした。
次に米バンガードによるセクターETF価格の騰落率からセクターの動きを見てみます。
参考までに2020年の年間騰落率も合わせて表記しています。
ベンチマークである全米株式ETF(VTI)は2021年に24%伸びました。
それに対して目立ってアウトパフォームしたのはエネルギーセクター、不動産セクター、金融セクターとなりました。これらのセクターはコロナショックによる景気後退の影響が強く、20年は大きくマイナスとなりアンダーパフォームしていましたが、一転して21年は強い回復を見せました。
背景としては先進国でのワクチン接種の普及による急速な景気回復がありますが、そこからの影響で①エネルギー需要急増でエネルギーセクター、②住宅需要増+インフレヘッジで不動産セクター、③長期金利上昇で金融セクター、が強かったと考えられます。
一方で、昨年大きくアウトパフォームしていた一般消費財(AMZN、ホームデポ、MCDなど)がインフレによるコスト増の影響を受けてか、昨年ほどのパフォーマンスを示しませんでした。
株式は21年に大きく伸びましたが、その内容を見てみると最終的に「景気回復」→「インフレ」という流れに強いセクターが優位であったと言えます。
上記は米国債イールドカーブの2020年末、2021年1Q末・2Q末・3Q末・4Q末の推移です。
20年1Q末には景気回復を織り込んで長い年限の金利が上昇し綺麗にスティープニングしていました。
しかし、1Q末をピークに徐々にインフレが意識され始めたことから21年末にかけてフラットニングが顕著となりました。
短い金利はFRBの利上げを織り込み上昇しながらも、長い金利は将来の景気減速を織り込んで低下が見られ、インフレ高進→利上げ加速→景気減速が意識されました。
総じて見ると、やはりこの1年は景気回復→インフレという動きが強く意識された年でした。
米国では3月以降2%を超えるCPIが続き、12月には6.8%まで上昇しています。
22年はその過熱したインフレに対してそれをどう抑制していくかが試される年になります。
利上げによりインフレがうまく抑制されれば業績相場に移行する可能性もありますが、スタグフレーションになる可能性もあります。
実際にインフレ指標が落ち着きを確認できるまでは警戒を緩めず、株式30%の弱気ポートフォリオで新年をスタートしたいと思います。
尚、2021年の私の個人資産の運用成績は+14.58%となり、長期投資として非常に満足の行く成果を得ることができました。
本年も宜しくお願い致します。
以上