投資家見習いのブログ

世界の地政学的リスクと経済指標を独自の数値で可視化し、マーケットを語ります。

【11/18-11/22週の世界のリスクと経済指標】

今週の評点:

リスク   -6点(36点):悪化 (基準点42点) 

経済指標  +5点(59点):良化 (基準点54点)

次週の相場感:弱気のニュートラ

 

①リスク

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今週は香港情勢絡みで大きく動いた週でした。

まず18日早朝に香港警察が、デモ隊が籠城する香港理工大学構内に突入して衝突し約1000人もの逮捕者を出しました。

次いで19日には米国上院で「香港人権・民主主義法案」が可決され、ほぼ成立する見込みとなったために中国が反発の姿勢を見せ、ここ最近順調に進んでいると見えた米中貿易協議が暗礁に乗り上げる可能性が高くなってきました。

これまでは香港情勢と米中貿易摩擦は個別の問題であり直接的には結び付いていませんでしたが、ここに来て米議会が香港情勢に対して関与を強めたために相関関係が生まれ、より一層香港情勢の重要性が増してきました。

11/24には区議選が行われ、その結果次第では民主派と親中派との対立が激化する可能性も高く、収束が見えない状況です。

ついては今週は大きくリスクが悪化したと判断しました。

 

②経済指標

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今週は欧米のPMIの発表がありましたが好調を維持しました。

欧州の要であるドイツは、サービス業PMIは芳しくありませんでしが、重要指標である製造業PMIが改善し、小売売上高、3Q/GDPに続き、上向きを確認できました。

また米国もISMではないものの製造業PMI、非製造業PMI共に上向きを再確認できました。

欧米各国の中央銀行による利下げの効果が徐々に現れ始めており、今週も実体経済が回復し始めている事を確認できました。

経済指標は評点もプラスとなり、良化したと判断しました。

 

③先週の振り返りと次週の相場観

今週は週明けからの香港情勢の悪化で相場が重く、ダウ、日経共に調整が入った週でした。

(ダウ週足-129ドル、日経週足-191円)

11/22には欧米各国のPMIでポジティブな指標が出たにも関わらずあまり反応する事なく、何となく上値が重い相場のまま週を終えました。

次週もポジティブな経済指標を受けて底堅さはあるものの、11/24の香港区議選の結果次第では中国当局の圧力が高まる可能性も高く、そうなると米国の関与も強めざるを得なくなり、米中貿易協議の進展にマイナスの影響が出てくるものと思われます。

ついては次週の相場観は香港情勢を注視しながら「弱気に構えたニュートラル」とします。

以上です。