【11/11-11/15週の世界のリスクと経済指標】
今週の評点:
リスク -1点(41点):若干悪化 (基準点42点)
経済指標 +2点(68点):良化 (基準点66点)
次週の相場感:強気のニュートラル
①リスク
今週の大きな出来事は11/14夜(日本時間11/15朝)の米クドロー委員長のポジティブコメントで、米中貿易摩擦の部分合意の交渉が順調に進み、合意間近にあることが確認されました。
一方で、香港情勢は先週末に起こった実弾発砲事件により抗議活動が激化し、それに対して香港政府も徐々に態度を硬化してきており取締を強化しています。お互い譲歩の余地がなく今後さらに衝突がエスカレートして行くことが予想され、引き続き注意が必要です。
また、イランが先週の表明通り遠心分離機を稼働させたため、欧州各国からの経済制裁が再発動する可能性が高く、こちらも泥沼化する可能性が出来てました。
全体的には米中貿易摩擦以外に良いところはなかった印象で、若干リスクが悪化したと判断しています。
②経済指標
10/28-11/1週に発表されていた指標で確認されていた欧州、米国の経済指標の回復傾向ですが、今週発表の欧州勢のGDP、米国のインフレ系指標では、引き続き上向きに転じていることを確認できました。
また、真っ先に利下げを始めた国であるNZの政策金利が予想に反して下げ止まったことにより、利下げによるリセッション回避に一定の効果が認められつつあることが示されました。
一方で、米中貿易摩擦の当事国である中国は予想に対して大幅にネガティブでした。元々景気が傾き始めていたところに米中摩擦が起こったため、中国の指標が上向いてくるには米中摩擦がある程度の解決を見込めるまで時間がかかりそうな様相です。
全体としては中国のネガティブを欧米のポジティブが上回り、良化と判断しています。
③今週の振り返りと次週の相場観
今週はリスクや経済指標の動き以上に相場が動いた週でした。また、不思議な動きをしながら調整した週でもありました。
週明けのダウは香港情勢での不安感からアジア市場が下げていたため下落から始まり、それ以降はヨコヨコからの上昇で推移しましたが、日経を含むアジア市場と為替は相関関係を崩しながら激しく上下動を続けました。
最終的にはダウが28000ドルの最高値で取引を終えたため調整は終わり、週明けから再度上目線で推移するものと思いますが、ドル円は今週の底値から半分しか戻していないこともあり、日経の伸びはドル円の戻り次第かと思われます。
リスク、指標の評点も大幅に良化となったわけでもなかったため、次週も若干警戒しつつの強目のニュートラルとし、米国株を中心に見ていこうと思います。
以上です。