投資家見習いのブログ

世界の地政学的リスクと経済指標を独自の数値で可視化し、マーケットを語ります。

【12/9-12/13週の世界のリスクと経済指標】〜日経平均の強さの再確認〜

今週の評点:

リスク   +6点(48点):大幅良化 (基準点42点) 

経済指標  -4点(44点):悪化 (基準点48点)

 

次週の相場感:強気のニュートラ

 

①リスク

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今週は重要な政治イベントであった英国総選挙と、米中貿易摩擦の追加関税発動期限がありました。

英国総選挙は与党保守党の圧勝に終わり、1月末の「秩序ある離脱」へ向けて大きく前進することとなりました。これまで混迷を極めたブレグジット問題ですが、保守党が過半を握ったことで離脱へ向けて粛々とEUとの協議が進むものと思われます。

また、米中貿易摩擦では、兼ねてから協議中であった第一段階合意が達成されたことが米中両国から表明されました。米中貿易摩擦の解決へ向けこれまでの様な「期待」ではなく「形」を以って前進したことは大いに評価される出来事でした。ただ、合意の詳細に関しては未だ明確にされていない内容が多いため詳細情報が開示されるまで注意が必要です。

一方でトランプ大統領の弾劾に向けて米民主党が活発に活動しており、次は下院本会議での訴追となります。上院で否決される見込みではありますが、楽観的に無視はできなくなってきました。

全体としてはやはり重要イベントであった英国総選挙と米中協議のポジティブな結果が大きく寄与し、大幅良化としました。

 

②経済指標

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今週は経済指標でも重要指標であるFOMC政策金利発表がありました。

政策金利は現状維持で予防的利下げは見送られ、FRB7月以降の3回の利下げにより景気失速のリスクが遠のいたと判断しました。市場も既に利下げ見送りを織り込んでいたため大きく動くことはありませんでした。

一方で13日の米国の小売売上高が予想に反してネガティブとなっており、要となる消費者需要が伸びてこない状況を示しています。先週のISM製造業、非製造業景況感指数に続き、ここ最近ネガティブな重要指標も散見されるのが気になるところです。

全体としては良化の指標も少なかったため、EUの鉱工業生産とアメリカの小売売上高のネガティブが響き、「悪化」としました。

 

③今週の振り返りと次週の相場観

今週は何と言ってもここ数年マーケットの2大政治的不安要素だった米中貿易摩擦ブレグジットに一定の安心感を与えることになる結果となったために、大きくリスクが緩和された週でした。

S&P500、ナスダックは最高値、日経も昨年104日以来の24000円回復と株価は大きく伸張しました。

 

中でも注目すべきは日経平均225の動きです。

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今週のリスクオン状況の中、米中協議の当事者である米国のダウ平均週足が120ドル高(+0.4%)、中国の上海総合が55ポイント高(+1.91%)だったのに対し、日経225の週足は669円高+2.86%)となりました。

ブレグジットの主役である英国FTSE+1.58%)と比べても上昇率が圧倒的に高く、どの主要株価指数よりも高い増減率となりました。ここ数ヶ月の株価上昇局面でも日経平均の値上がり率が顕著ですが、この重要イベントの局面においても強いことを証明しました。

これまで株価上昇の主役だった米国株は既に高値圏で、ダウのPER20.94となっており、米国株が今後これ以上の高値を追うにはEPSの増加が不可欠となって来ています。しかし日経平均24000円を超えてもまだPER14.44で推移しており、より高値を追いやすい状況となっています。

長期も短期も引き続き日本株式および日経225に注目して行きたいと思います。

 

今後は政治的な重要イベントがクリアとなった狂乱から一旦落ち着きを取り戻して押すことが考えられますが、中長期的には米中協議のPhase 2の内容と経済指標に反応して上下動しながら上昇していくと思われます。

次週は、週明けは下目線としながらも週間を通しては若干の上昇を予想します。

 

以上