投資家見習いのブログ

世界の地政学的リスクと経済指標を独自の数値で可視化し、マーケットを語ります。

【12/16-12/20週の世界のリスクと経済指標】

今週の評点:

リスク   -3点(39点):若干の悪化 (基準点42点) 

経済指標  0点(77点):中立 (基準点77点)

 

次週の相場感:ニュートラ

 

①リスク

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先週は、前週に米中貿易摩擦ブレグジットで大きくリスクが改善した影響もあり、大きな進展はなかった週でした。

逆に、つい最近まで動きを潜めていた北朝鮮が米国に対する挑発を強めてきました。

非核化交渉の期限を年末とし、米国に圧力をかけていますが、米国からの対話の誘いに応じませんでした。出稼ぎ労働者の送還に関してロシアと中国が国連安保理で一部停止を求める決議案を提出し、制裁緩和に動いており、ここでも欧米と中ロの溝が生まれています。

また、トランプ大統領の弾劾訴追が下院で可決され、1月上旬に上院にて弾劾裁判が行われることになりました。上院は共和党過半数を握っているため、弾劾にはならない予想ですが、大統領選挙を控えるトランプ大統領にとっては支持率悪化に繋がることも考えられ、注意が必要です。

全体としては上記2点を悪化とし、全体としてもマイナス3の悪化としました。

 

②経済指標

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重要度の高い指標があったわけでありませんが、全体としてはまちまちといった状況でした。

中国は鉱工業生産と小売売上高がポジティブでしたが、欧州の製造業PMIを中心にネガティブが続いた印象でした。

一方で米国は鉱工業生産、住宅着工件数も上昇しポジティブ、またPCEコアも1.6%インフレ目標である2%を下回り緩和策を引き続き後押しする形となりました。

欧州PMIのネガティブがアメリカ、中国のポジティブを打ち消し、今週は中立となりました。

 

③先週の振り返りと次週の相場観

前週の振り返りで12/9-13週は「米中の第一段階合意とブレグジットの当事国である米中、イギリスののリスクの後退で大きく相場が伸びたが、それ以上に日本株が伸びたので日本株に対して強気」としましたが、下記の通り先週は大きく伸びた日本株が巻き戻して下がりました・・・。

一方で、当事国である米中、イギリスの株価指数が上昇しました。

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そして下記の通りリスク後退後から12/20までの2週間で見ても、結局、当事国である米中、イギリスの指数が大きく伸び、伸びるべきところが伸びたことがわかります。特にイギリスは「移行期間を延長しない」としたため合意なき離脱の懸念再発から、先週はポンドが週足で2.45%も下落しましたが、それでも株価指数は週足3.11%の驚異的な伸びを見せ、2週間で4.74%に達しました。

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しかし、私は引き続き日本株に対して注目するスタンスを崩さず行きたいと思います。

やはり他の株価指数と比較して割安なPERを考えるとバリュエーションの調整で引き続き日本株に資金は流入してくると思います。

ただ、それには重しになっているドル円の上昇が必要ですが、ここ最近上昇してプラスに転じている日本国債10年利回りにより縮小している金利差でドル円も上値が重い状況です。

もう少し米国債券市場から株式市場に資金が流入してくればドル円が上昇し、日経もさらに上値を追ってくると思われます。

次週は米市場がクリスマス休暇+日本市場が年末年始休暇前であるため、あまり大きな動きはないと思われるため、ニュートラルとします。

 

以上