投資家見習いのブログ

世界の地政学的リスクと経済指標を独自の数値で可視化し、マーケットを語ります。

【2/10-2/14週の世界のリスクと経済指標】

今週の評点:

リスク   -4点(38点):悪化 (基準点42点) 

経済指標  -4点(35点):悪化 (基準点39点)

 

次週の相場感:ニュートラ

 

①リスク

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先週も新型コロナウィルス(COVID-19)の動向に振り回された週でした。

前週末に感染者増加率の減少からピークアウト期待で安心感が広がりましたが、週明けに武漢での感染者の検査方法の変更から感染者が急増したとの報道があり、再度不安感が広がりました。

また、日本では中国国外で初めて感染経路が不明な感染者が出現し、中国国外でも新たなフェーズに入って予断を許さなくなりました。

その他の情勢としては、米中貿易摩擦2/14に米中ともに第一段階の合意が発効されましたが、同時に米国がファーウェイへ追起訴を行い、中国がCOVID-19で動き辛い中で圧力を継続しています。

また、米国は今度はEUとの貿易交渉で圧力をかけるため、航空機に対する追加関税を引き上げています。

 

全体としてはCOVID-19と米欧貿易摩擦のネガティブでマイナス6の悪化としています。

 

②経済指標

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先週は注目すべき指標に欠け、アメリカのコアCPI、小売売上高も小動きでした。

ドイツの10-12月期GDPが伸びに欠けるのが気になりますが、実体経済PMIより遅行するのでCOVID-19の影響を受けながら次の1-3月期GDPがどうなるか注目です。

 

③2/10-14週の振り返りと次週の展望

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先週は好調な経済指標と低い長期金利を背景に米株指数が伸長しました。

ダウは週中に新高値、ナスダックとS&P500は週末にも新高値を更新して終えています。

またドイツDAX2/13に新高値を更新しています。

米国、欧州はCOVID-19の影響を受けず好調を維持しています。

一方、日経2253Q決算でCOVID-19の影響から製造業を中心に通期予想を下方修正する企業が多く、日本企業全体の今期EPSも前年度比7%減となる予想が出ています。(欧州は2%減、米国は2%増予想)

その影響か、欧米各国の株価指数が伸びている中上値が重く、週足0.59%減に沈んでいます。

 

 

ここでWHOWEBサイトのデータをグラフ化したCOVID-19の感染者数推移を更新して再掲載します。

データだけを見る限り感染者数自体は、2/4頃を起点に上昇の形がなだらかになってきており、徐々にピークアウトして行きそうな気配を見せています。

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一方で下記のグラフの通り死者数推移は上昇カーブが上向きを示しており、まだまだ増加傾向が続く気配がします。

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地理的に中国と距離のあるアメリ/欧州では、次週もこれまで通り堅調に推移するものと思われますが、地理的に中国に近く、すでに感染経路が不明な感染者が出ており新たな局面に入った感がある日本は次週も上値の重い展開になると思います。

ただ、既に中国は企業に対して8兆円の融資を実行し、また中国銀行20日にも利下げを打ち出すとの観測もあり、経済対策が矢継ぎ早に行われています。

現在上値が重い分、日経はCOVID-19に何らかのポジティブニュースが出た際には一気に上がる可能性が高いと思われるため、悲観の中でもいつも通り注意深く下値を拾いに行きたいと思います。

 

以上