投資家見習いのブログ

世界の地政学的リスクと経済指標を独自の数値で可視化し、マーケットを語ります。

【12/23-12/27週の世界のリスクと経済指標】〜日経平均再上昇への考察〜

12/23-27週の評点:

リスク   0点(42点):中立 (基準点42点) 

経済指標  +2点(14点):若干の良化 (基準点12点)

 

次週の相場感:ニュートラ

 

①リスク

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先週は地政学リスクに対する特筆すべき動きは見られませんでした。

米中貿易摩擦12/13深夜の部分合意の発表からの流れを引き継ぎ、着々と事務的作業が進展していることが伺えますが、実際の署名に至っていないため明確な形になって現れてきていません。

 

また今はまだそこまで大きな懸念ではありませんが、最近気になっているのはロシアの動きです。

先週も中国・イランと合同軍事演習を開始したとのニュースがありましたが、中東の国々と米国との関係悪化の隙を狙って中国と共に軍事的影響力を拡大しています。米国との軍縮協議(新START延長)に向けて圧力をかけるために極超音速ミサイル「アバンガルド」を配備したりと、ロシアの軍事的な動きが活発化してきた印象です。注意して動向を見ていきます。

 

全体的には大きな動きがなかったため中立としました。

 

 

②経済指標

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経済指標も注目指標が少なく、米国の新築住宅販売件数がポジティブ、日本の失業率、鉱工業生産がポジティブとなりましたが、それ以外には目立った指標はありませんでした。

全体としては「若干の良化」としました。

 

12/23-27週の振り返りと次週の相場観

先週は欧米がクリスマス休暇の影響もあり、全体的に小動きで終わりました。

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米国株は最高値を更新しましたが、日経平均はまたもやほぼ動きませんでした。

原因としてはやはりドル円の重さが考えられます。

またそのドル円の重さは米国債10年利回りの重さが影響していると思われます。

今年に入り米国債10年利回りと日本国債10年利回りはほぼ同じ動きをしてきました。しかし、9月の金利の底入れ時期から日本国債利回りの上昇が強くなっており、一方で米国債利回りはレンジの動きで上昇が浅いため日米金利差が縮小しています。

これが、マーケット自体はリスクテイクの状況なのにドル売り円買いとなり、ドル円の上値を抑える原因となっていると考えます。

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また、米国債利回り自体は、9月の底入れから11月半ばまでは株価(S&P500)とほぼ同じ動きをしていましたが、11月半ばからは乖離が見られ高値を更新する株の動きに付いていっていません。

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日々高値を更新する株価とは裏腹に金利はレンジに入っています。

12/14の米中部分合意、英保守党勝利のイベントをこなしてリスクテイクの状況ではあるものの、一方で株価は既に高いために下落局面を想定して安全資産である債券を購入する動きをしていると思われ、マーケットの迷いを表しています。

このマーケットの迷いを打ち消すにはファンダメンタルズの支えの確認が必要であり、私はそれが1/3に予定されている米ISM製造業景況指数だと思っています。

前回の11ISM製造業景況指数は、その他の米国の重要指標がポジティブな結果で良いムードだった中、想定外のネガティブでした。そのためISMは唯一好転を確認できていない重要指標です。

その指標でポジティブを確認できれば、1) 株価の上昇に金利が付いてくる、2) 金利の上昇によって日米金利差縮小が解消、3)ドル円上昇、4) 日本株上昇、と日経平均にも好影響が出てくると思われます。

次週は1/3(金)のISM製造業景況指数に注目しています。

 

以上