投資家見習いのブログ

世界の地政学的リスクと経済指標を独自の数値で可視化し、マーケットを語ります。

【11/25-11/29週の世界のリスクと経済指標】

今週の評点:

リスク   -1点(41点):悪化 (基準点42点) 

経済指標  +4点(70点):良化 (基準点66点)

 

次週の相場感:強気のニュートラ

 

①リスク

f:id:minarai_tousan:20191201010044j:plain

今週はやはり香港情勢で動いた週でした。

11/24の区議選の結果、民主派が85%の議席を獲得したために抗議活動に民意の裏付けが与えられ、香港政府が実力行使でのデモ隊の鎮圧を行いにくくなったために一旦落ち着きを取り戻す見込みとなりました。

一方で、11/27トランプ大統領香港人権法に署名し法案が成立した事により、中国側は反発し報復を言及しています。

ついては香港情勢で良化、米中貿易摩擦で悪化とし、重要度の大きい米中貿易摩擦の影響で若干のリスク面での悪化としました。

しかし、大統領選挙に向けて米中合意を取り付けたいトランプ大統領の絶妙なコメントによる中国政府に対する配慮と、12/15の米国からの新たな追加関税発動によるこれ以上の経済悪化を阻止したい中国政府の思惑が噛み合ってか、現在のところは中国からの具体的な報復行動は露わになっていません。

このまま中国から具体的な報復案が出てこなければリスクの悪化は限定的だと思われます。

 

②経済指標

f:id:minarai_tousan:20191201010410j:plain
今週は米国の11月新築住宅販売件数が予想を上回りポジティブ、また3QGDP改定値が上振れてポジティブとなり、引き続き上向きな指標を確認できました。

また、ドイツの11月失業者数が大幅減でポジティブ、EU11消費者物価指数もポジティブとなり、欧州も概ね上向きな傾向を確認できました。

ドイツのインフレ系指数はネガティブとなっていますが、消費需要の戻りにはまだ時間がかかると思われます。

全体としてはポジティブ指標が上回り良化としました。

 

③次週の相場観

今週は香港の区議選での結果によらず米国議会の香港人権法案成立で中国が反発し上値は重くなると予想していましたが、区議選での民主派の圧勝により予想以上に上昇し、またトランプ大統領香港人権法案への署名でも中国側の反発に具体性が薄かったために下落は限定的に終わった印象です。

最終的にダウは週足で176ドル高、日経も181円高で終えています。

次週はリスク面でこのまま中国側の反発が限定的だと推測すると、米国ISM景況感指数、米国雇用統計などの重要経済指標の結果によって動いてくるものと思われます。

次週の相場観は、中国からの米中協議での報復に警戒しつつ、ここ最近の流れから上向きな指標結果を予想し強気目なニュートラルとしたいと思います。

以上です。