投資家見習いのブログ

世界の地政学的リスクと経済指標を独自の数値で可視化し、マーケットを語ります。

【1/19-1/20週の世界のリスクと経済指標】〜新型ウィルス流行時の値動き〜

先週の評点:

リスク   -3点(39点):悪化 (基準点42点) 

経済指標  +12点(78点):良化 (基準点66点)

 

次週の相場感:弱気

 

①リスク

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前週に米中第一段階合意の調印式も無事に終了し、先週は地政学リスクも落ち着くかと思いきや、新たなリスクとして急浮上した新型コロナウィルスの蔓延によって一気にリスクオフとなりました。

未だその深刻度は計り知れませんが、旧正月に絡んだ中国人の大移動による全世界でのウィルスの拡散は想定する必要がある思われ、今後はその致死率、死亡者や重篤患者の傾向によって、人々の生活の中である程度許容できる範囲なのかどうかが問われると思われます。

その他のリスクはほぼ変動なしとし、新型コロナウィルスによって大きくリスクが引き上げられた週でした。

 

②経済指標

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一方で経済指標に関しては、先週は欧州を中心に注目指標が多く概ねポジティブでした。

特に欧州のPMIはフランス、ドイツ、イギリス、EU全体全て製造業PMIがポジティブとなり、欧州全体として底打ちした様子を見て取れます。

一方でMarkitによる米国のPMIはサービス業は先月に続いてポジティブだったものの、製造業はネガティブとなりました。米中貿易摩擦の緊張も緩和され今のところ4Q決算も好調で、上向いても良さそうな米国ISM製造業PMIですが、その前座としてのMarkitPMIでも明確にネガティブになったのが気になります。

 

新型コロナウィルスの影響がどこまで織り込まれるか不明ですが、2/4ISM製造業景況指数が上向けば、欧州、米国のファンダメンタルの回復を確認できるため要注目です。

 

 

③先週の振り返りと次週の展望~新型ウィルス流行時の値動き~

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先週は新型コロナウィルスの影響で全株価指数の週足は下落しました。

特に震源地である中国の上海総合指数がマイナス3.22%の大幅下落、また香港ハンセン指数も3.81%の大幅下落となりました。

 

ここで直近のウィルス拡大があった時期である2002-2003年のSARS流行時の日経225および米国S&P500の値動きを見てみます。

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この頃はITバブルが弾けた後であったため日経、S&P共に下落基調ではありましたが、200211月のSARSアウトブレイクと共に今回の様に株価の下落が始まっています。

最終的に20037月に終息宣言されるまで約8カ月を要しましたが、S&P500は終息4カ月前、日経225は終息3カ月前に株価指数は底入れ反転し、2009年の金融ショックへ向けて上昇して行きました。

これを見る限り、決算も概ね好調な米国を始め外部環境は悪くない現在の状況を考えると、今回もある程度感染の広がりに収束が見えてきた段階で株価は反転し、中長期的には上昇に向かって行くことが予想されます。

ただ、当時はITバブル後で下落基調だった外部環境の悪さもあり、反転するまでS&P500はこの期間中にマイナス10%、日経22515%ほどの下落を経験しています。

現時点での新型ウィルスによる下落幅はS&P500、日経225共に1%以下と微々たるものであり、今後事態がどこまで拡大していくかによって短期的な下落幅が拡大していく可能性もありますので注意が必要です。

よって次週は弱気のスタンスとします。

 

以上