【4/6-4/10週の世界のリスクと経済指標】〜FRBの企業を潰さない決意〜
先週の評点:
リスク -4点(38点):悪化 (基準点42点)
経済指標 -5点(16点):悪化 (基準点21点)
短期の相場観:強気
長期の相場観:強気
【リスク】
先週もCOVID-19のリスク悪化は収まりません。
当分リスクの話題はCOVID-19の悪化が主流となりそうです。
前週に比べ全世界で感染者は1.5倍、死者数も1.5倍となり、特に米国では感染者、死者数共に倍増しています。
ただ、4/10のNY州での新規入院患者数は激減しているという報道もあり、ピークを超えつつある可能性もあります。
一方で日本では緊急事態宣言が出されたものの、感染者数は急カーブで延びており、これから本格的な悪化が予想されます。
全体としては急進左派のサンダース議員の米大統領予備選挙の撤退で良化となりましたが、COVID-19の悪化が上回りマイナス4ポイントの悪化としました。
【経済指標】
先週は経済指標の発表が少ない週でした。
米国の新規失業保険申請件数は前週と同規模の660万人となり、雇用が急速に失われていることを示しています。
また、CPIもマイナスとなり、人々の消費活動も停滞していることが伺えます。
全体としてもマイナス5ポイントのマイナスの悪化としました。
【先週の振り返りと次週の展望】~企業を潰さない決意~
先週はどの株価指数も大幅に上昇し、特に米国株の伸びが大きい週でした。
4/8に米民主党の大統領予備選から急進左派のサンダース議員が撤退を表明し、さらに4/9にFRBが2.3兆ドルの追加金融緩和を打ち出したためマーケットに安心感が広がりました。
今回のFRBの2,3兆ドルの金融緩和の内容は下記の通りです。
①低格付け社債および大企業向けの直接融資(7500億ドル)
これまで踏み込んでいなかった破綻リスクの高い低格付け社債(ジャンク債)や
CLO(ローン担保証券)購入や信用格付けが低下して資金調達難に陥っている
大企業向に直接融資
②民間銀行を通じた一般企業に対する融資(6000億ドル)
従業員1万人以下の中小企業に対し、民間銀行が一度融資し、その債券の95%分を
FRBが購入することで融資。1年間は無利子。
この金融政策はこれまでFRBが表明してきた金融緩和政策から更に踏み込んでリスクを取りに行くこととなり、「COVID-19により業績を悪化させる企業を絶対に潰さず、最大限の安心と安定を提供する」と言うFRBの強いメッセージとなりました。
今後はこのFRBの下支えと、異次元の金融緩和による現金価値の下落からの逃避でゆっくりと株式市場にマネーが還流すると思われます。
原油価格もOPECプラスで最終的な合意には至らなかったものの方向性は決まったと思われ、こちらも安値を掘り込んでくることはなく安定してくると思われます。
<短期>強気
FRBの金融緩和政策によりダウをロング目線、また金融緩和による現金価値の減少から金ロング目線で臨みます。
NY州でのCOVID-19の入院患者数が減少してきたという報道も支えとなると思います。
また通貨はドル安目線(ドル円ショート、豪ドル米ドルロング、ユーロドルロング)で臨みます。
<長期>強気
引き続き強気のスタンスです。(米国株式31%、日本株式25%、国内債券30%、金6%、REIT4%、新興国株4%)
原油価格の安定を見込み、新興国株式としてブラジル株ETFを追加しています。
今回のショックで資産価値を減らしていましたが、強目に追加投資を行ったこともあり、漸くポートフォリオ全体がプラス転換しました。
以上